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「債権譲渡における債務者の抗弁(こうべん)」とは、債権がAさんからCさんに移ったときに、債務者(Bさん)が、「元の債権者(Aさん)に対して言えた反論を、新しい債権者(Cさん)に対してもそのまま主張できる」というルールのことです。(民法468条)
もしもこのルールがないと、債務者は債権者が勝手に変わったせいで、本来言えるはずだった言い分が封じられてしまい、不利益を被ってしまうからです。
1. 債務者が主張できる「抗弁」の具体例
債務者は、債権譲渡の「通知」を受けるまでに生じた以下のような事情を
新しい債権者にぶつけることができます。
- 「もう払いました」(弁済):譲渡される前に、元の債権者に支払済みであること。
- 「まだ期限が来ていません」(猶予):支払期限の延長を約束してもらっていたこと。
- 「契約自体が無効・取り消しです」:詐欺による契約だった、あるいは公序良俗に反する契約だったなど。
- 「同時履行の抗弁」:「商品が届かないなら、代金は払わない」という主張。
- 「相殺(そうさい)」:自分も元の債権者に対して貸金などの債権を持っており、それと相殺すること。
2. 抗弁が認められるタイミング
原則: 債務者が譲渡の「通知」を受けるまで、あるいは「承諾」をするまでに生じた事由であれば、
新しい債権者に対抗できます。
3. 「相殺」に関する特別なルール
2020年の民法改正で、相殺のルールがより明確になりました。 債務者が、譲渡人(元の債権者)に対して債権(自働債権)を持っていた場合、以下の条件なら新しい債権者に「相殺」を主張できます。
- 通知を受ける前からその債権を持っていた場合。
- 通知を受けた後に取得した債権であっても、それが通知前の原因(契約など)に基づいて発生したものである場合。
4. 譲渡制限特約との関係
前述の通り、現在は「譲渡禁止」の約束があっても債権譲渡自体は有効です。
しかし、債務者は、「譲渡制限特約があること」を理由に、譲受人への支払いを拒む(=抗弁する)ことができます。これも一つの大きな抗弁権です。
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